
南 孝子

南 孝子
アシスタント
南 孝子(みなみたかこ)
「たーちゃん! ゴリラのドラミングはグーじゃなくてパーよッ!」
「えっ、そーなんですかぁ?」
「ゴリラの顔、みんな違うでしょー?」
「さて? わからないです……」
森 啓子さんとひさしぶりの再会で、笑いが弾けました。
私がテレビ局で働き始めたのは19歳のとき。
初めてアシスタントについたディレクターが、お料理番組『大山のぶ代の夕食万歳!』を担当していた森さんでした。
あの頃の森さんは、まだ“ゴリラ”のゴの字も語らず、明るく現場を取り仕切っているディレクター。
若いスタッフのひとりだった私にとって、森さんは上司であり、仕事の楽しさを教えてくれた人でした。
あれから何10年もの時を経て再会したとき、森さんはすでにアフリカの森でゴリラと向き合う動物ジャーナリストになっていました。
正直、私はゴリラのことをあまりわかっていません。
でもこうして 「ゴリラのはなうた」のお手伝いをさせていただいているのは、ゴリラの撮影 保護に一生懸命な森さんの何かお役にたてれば と思っているからなのです。
一生恋に生きるというメス、ゴリラは草食動物だけどいわゆる草食系オスはいない、などの話を聞くたびに、ゴリラが特別な存在に感じられるようになって、
今ではそういう話を聞くのが楽しみになっています。
でも、最後にはいつもこう付け加えたくなるんです。
「でもね、やっぱりいちばん好きなのは……猫なんです。」


